Photoshopを使って、最下位ビット置換法による透かしの埋め込みを行います。
まずは、どんなふうに透かし画像が検出されるのか、サンプルで試してみてください。
サンプル（lsb_sample.psd：PSD 713KB）
サンプルをダウンロードして開いたら、非表示になっているレイヤーを表示し、画像を統合してください。 それぞれのレイヤーの画像はほとんど同じ画像ですので、差の絶対値をとるとほとんど真っ黒な画像になります。 統合した画像を平均化することで、埋め込まれていた透かし画像が可視化されます。
最下位ビット置換法では、8色の画像（RGBの各色につき1bit）を透かし画像として埋め込みます。 そのため、まず透かし画像を作ります。
透かし画像の元になるカラー画像（pico.jpg）を開きます。
サイズは、幅300ピクセル、高さ300ピクセルです。
カラーモードをインデックスカラーに変更することで、8色に減色します。
このときのオプションは、パレットを「RGB カラーを均等に割り付ける」、表示色を8、ディザを「誤差拡散法」としました。
パレット：「RGB カラーを均等に割り付ける」
表示色：8
ディザ：「誤差拡散法」
カラーモードをRGB カラーに戻します。
この処理は暗号化の際に、レイヤー機能を使用するため必要（？）です。
レベル補正を行って画素値の最大値を1にして、透かし画像のできあがりです。
ほとんど真っ黒な画像になっているでしょうか。
lsb_watermark.psd （PSD 311KB）
透かしを埋め込む画像（カバー画像）の最下位ビットプレーンを削除します。 つまり、画素値が偶数のみの画像にします。
カバー画像（透かしを埋め込む画像）として用いるカラー画像（bigsight.jpg）を開きます。
サイズは、透かし画像と同じサイズで、幅300ピクセル、高さ300ピクセルです。
レベル補正を行って画素値の最大値を127にします。
レベル補正を行ったカバー画像を新規レイヤーに複製します。
複製したレイヤーの描画モードを「覆い焼き (リニア) - 加算」にします。
画像を統合すると、最下位ビットブレーンが削除されたカバー画像のできあがりです。
lsb_cover-image.psd （PSD 471KB）
画像のヒストグラムを見ると、画素値が偶数のみになっていることで確認できます。
最下位ビットプレーンを削除したカバー画像と透かし画像を合成して、透かしを埋め込みます。
最下位ビットプレーンを削除したカバー画像（lsb_cover-image.psd）と透かし画像（lsb_watermark.psd）を開きます。
カバー画像に新しいレイヤーを作成して、カバー画像と透かし画像を重ねます。
コピー&ペーストで良いと思います。
レイヤーの描画モードを「覆い焼 (リニア) - 加算」にします。
画像を統合すると、透かし画像の埋め込みは完了です。
透かしを埋め込む前のカバー画像と見分けがつかない画像になっていると思います。
lsb_watermarked-image.psd （PSD 532KB）
透かし埋め込み画像から最下位ビットプレーンを削除した透かし埋め込み画像を引き算することで、透かし画像を検出します。
透かし埋め込み画像（lsb_watermarked-image.psd）を開きます。
最下位ビットプレーンを削除した透かし埋め込み画像を作成するために、透かし埋め込み画像を複製します。
最下位ビットプレーンの削除は、「Photoshopで最下位ビットプレーンを削除する」と同じ方法で行います。
レベル補正を行って画素値の最大値を127にします。
レベル補正を行ったカバー画像を新規レイヤーに複製します。
複製したレイヤーの描画モードを「覆い焼き (リニア) - 加算」にします。
画像を統合すると、最下位ビットプレーンを削除した透かし埋め込み画像のできあがりです。
透かし埋め込み画像に新しいレイヤーを作成して、最下位ビットプレーンを削除した透かし埋め込み画像を重ねます。
レイヤーの描画モードを「差の絶対値」にします。
画像を統合します。
画像を平均化すると、透かし画像が可視化されます。
埋め込んだ透かし画像が検出されたでしょうか。 平均化することで、画素値が0または1で表現されていた透かし画像が、0または255で表現されるため可視化されます。
lsb_extracted-watermark.psd （PSD 385KB）
