Photoshopを使って、キャリアスクリーン画像を作ります。 まずは、どんなふうに復号されるのか、サンプルもしくはデモで試してみてください。

サンプル（cpcs_sample.psd：PSD 395KB）

サンプルをダウンロードして開いたら、非表示になっているレイヤーを表示してみてください。 片方のレイヤーの画像は単なるチェッカパターン（市松模様）ですが、重ね合わせて表示すると秘密の画像が浮かび上がります。

キャリアスクリーン画像は、周期的なパターンの重ね合わせることで、秘密の画像が浮かび上がる潜像技術です。 有価証券などの偽造防止技術や絵本などのエンターテイメント分野で利用されています。

ここではチェッカパターンをベースとしたチェッカパターンキャリアスクリーン画像を作成します。 一般的なキャリアスクリーン画像は、万線と呼ばれる多数の平行線からなるパターンや、網点と呼ばれる周期的な点からなるパターンが用いられます。 このようなベースとなるパターンをキャリアスクリーンと呼びます。 チェッカパターンキャリアスクリーン画像では、チェッカパターンをベースとしているため、デジタル画像との整合性が良くPhotoshopを用いた符号化が容易です。

1. Photoshopで秘密画像を作る
2. Photoshopでチェッカパターンを作る
3. Photoshopでキャリアスクリーン画像を作る
4. Photoshopで復号する

Photoshopで暗号化＞ Photoshopでキャリアスクリーン画像

キャリアスクリーンとして使用するチェッカパターンの最小単位が2×2画素のチェッカパターンとなるため、1つの点が2×2画素で表現された白黒の秘密画像を作ります。

1.

元になるカラー画像（pico150.jpg）を開き（ファイル＞開く…）ます。

サンプルの画像のサイズは、幅150ピクセル、高さ150ピクセルです。 最終的に生成されるキャリアスクリーン画像は、幅・高さともに、2倍の幅300ピクセル、高さ300ピクセルになります。

2.

カラーモードを変更して、インデックスカラーにする（イメージ＞モード＞インデックスカラー…）ことで2階調化します。

このときのオプションは、パレットを「RGB カラーを均等に割り付ける」、表示色を2としました。

3.

カラーモードをグレースケールに変更（イメージ＞モード＞グレースケール）します。

キャリアスクリーン画像を作成する際にレイヤー機能を使用するので、インデックスカラーからグレースケールに戻します。

4.

画像解像度を幅・高さともに2倍にして（イメージ＞画像解像度…）、秘密画像のできあがりです。

ピクセル数を幅・高さともに2倍にします。 サンプルの画像では、幅300ピクセル、高さ300ピクセルになります。 また、画像の再サンプルのオプションは「ニアレストネイバー法」にします。

cpcs_secret-image.psd （PSD 164KB）

Photoshopで暗号化＞ Photoshopでキャリアスクリーン画像＞ Photoshopで秘密画像を作る

キャリアスクリーン画像を作成するための準備として、チェッカパターンを作成します。

1.

新規ドキュメントを作成（ファイル＞新規…）します。

カンバスサイズは、幅・高さともに作成したいピクセル数の3倍にします。 ここでは、幅300ピクセル、高さ300ピクセルのチェッカパターンを作成したいので、幅900ピクセル、高さ900ピクセルにします。 また、カンバスカラーは、「白」を選択します。

2.

フィルターのハーフトーンパターン（フィルター＞スケッチ＞ハーフトーンパターン…）を使ってチェッカパターンを作ります。

ハーフトーンパターンでは、描画色と背景色を用いてパターンを生成するため、描画色を黒に、背景色を白にしておきます。

パターンタイプは、「点」を選択します。 また、サイズは1に設定します。 コントラストは、28〜49の間に設定すれば良いようです。 ここでは、コントラスト40とします。

3.

幅と高さを1/3にして（イメージ＞画像解像度…）、チェッカパターンのできあがりです。

サンプルの画像では、幅300ピクセル、高さ300ピクセルになります。 また、画像の再サンプルのオプションは「ニアレストネイバー法」にします。

描画色を黒に、背景色を白にした場合、画像の左上の画素が黒ではじまるチェッカパターンになっていると思います。

cpcs_checkered-pattern.psd （PSD 614KB）

Photoshopで暗号化＞ Photoshopでキャリアスクリーン画像＞ Photoshopでチェッカパターンを作る

秘密画像とチェッカパターンを使用して、キャリアスクリーン画像を作ります。

1.

まず、秘密画像とチェッカパターンを開き（ファイル＞開く…）ます。

2.

秘密画像の階調を反転（イメージ＞色調補正＞階調の反転）します。

この操作を行わなくてもキャリアスクリーン画像は作成できますが、チェッカパターンを重ね合わせたときに、復号結果の白黒が反転してしまいます。

3.

階調を反転した秘密画像に新しいレイヤーを作成して、チェッカパターンを重ねます。 全選択、コピー&ペーストで良いと思います。

4.

レイヤーの描画モードを「差の絶対値」にします。

5.

画像を統合（レイヤー＞画像を統合）して、キャリアスクリーン画像のできあがりです。

cpcs_cpcs-image.psd （PSD 307KB）

Photoshopで暗号化＞ Photoshopでキャリアスクリーン画像＞ Photoshopでキャリアスクリーン画像を作る

1.

キャリアスクリーン画像とチェッカパターンを開き（ファイル＞開く…）ます。

2.

キャリアスクリーン画像に新しいレイヤーを作成して、チェッカパターンを重ねます。 全選択、コピー&ペーストで良いと思います。

3.

レイヤーの描画モードを「乗算」にすると、秘密画像が復号されます。

cpcs_decoded-image.psd （PSD 397KB）

Photoshopで暗号化＞ Photoshopでキャリアスクリーン画像＞ Photoshopで復号する